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「ごめん!」
「…は?」
パチンっと両手を胸の前で叩き合わせる大祥。
なんだ突然。
「???…お前がオレを妄想に使ってる話ならいつものことだろ…?」
「それじゃなくて…」
「じゃあ一週間前に冷蔵庫にあったオレのプリン食べたことか?」
「あれお前のだったのか。…ってそれじゃなく‼︎」
「じゃあ何だよ。…どうでもいいが冷蔵庫ピーピーいってんぞ。」
「あ、本当だ。」
開けっぱなしで悲鳴を上げていた冷蔵庫を黙らせてからまた黙り込む大祥。
一体何しでかしたんだ、と思いながらフライパンから皿に青椒肉絲を移していると大祥が口を開いた。
「…の事…」
「?なんて?」
「会長とのデートの事…。」
デートって言うな。
「あー、それな。すっかり忘れてた。」
「…俺の事、庇ったせいで…」
「別にいい。アベック認定されてなかったし。テキトーに出かけて公園の鳩に餌やって帰ってくる。」
「それ…デートなの?」
「散歩。」
デートって言うな。(2回目)
「…けど、俺たち平民と行く場所違うだろ?」
「まあそうだろな。」
「経費もかさむんじゃないか?」
「いや、それに関しては大丈夫だろ。」
「なんで?」
「約束取り付けた側が取り付けられた側の、しかも平民のオレにそんな無茶させたら、メンツ立たねえだろ。精々、ちょっと高いくらいじゃねえの?」
「…けど…」
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