1-1. また、日常が帰ってきた

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 2月15日、朝の街。  ふわりと舞い降りてくる雪を眺める。 「……寒っ」  悠長なことを言っている余裕は無かった。  ボケーっとしてるんじゃない、と言わんばかりにいきなり吹いてきた強風に思わず肩が縮む。  コートのポケットから先日もらった手袋を取り出した。  指先はなんとかなるが、顔のこわばりはどうしようもなかった。
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