1-1. また、日常が帰ってきた

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 天気予報の言うとおり。  雪まつり終幕から数日は寒の緩みがあったが、それもただの気休め。  一瞬で真冬の星宮(ほしのみや)に逆戻りだ。むしろ一瞬だけ暖かくなった――と言っても、ギリギリで最高気温がプラスになったくらいだけど――ことで、余計に今朝の寒さが身にしみるようだった。  街の風景も、まだどこか寝ぼけているような色をしている。  けれど、地下鉄駅周辺に近付くにつれて、どことなく落ち着いているような様子もあった。  いつも思うが、装飾の入れ替えや取り替えの早さはスゴい。  たしかに昨日の帰りに見たときはまだギリギリ『バレンタイン』の文字があったはずなのだが、今朝はそんな文字なんてこの世に存在していなかったような雰囲気だ。
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