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離れて。
首元に付けた硬い革製のチョーカーを見つめながら指で頑丈なのかを何度も確認し、ゆっくりと深呼吸をする。
Ωだと言われたあの時からの俺のお守りだ。
鍵は政府に預かって貰い、もしもの事を備えて自分以外が引取りに来ないようにした。
…まあ俺の容姿は良い方ではないから大丈夫だとは思うんが…
それでもあの人は俺がΩだと知った時からずっと狙っているんだ。
俺の項を
俺と番になる事を。
…兄貴…
どうして兄貴が俺の運命の番なんだ…
兄弟でこんな事間違っている。
でも兄貴が言うには俺達の関係は前世の時から壊れていると言っていた…
そんな事俺だって分かってる!
だけど………
あと1年…あと1年で俺は…
着々と進めている。
俺は兄貴から逃げ出す準備を…
兄貴には悪いけれど俺は兄貴と番つもりは全くない。
兄貴には幸せになって欲しい。
俺以外の誰でも良い、優しい人と家庭をもって欲しいから。
兄貴に怪しまれない様に上手く距離を置き、この想いと共に置いて何処か遠い所に行くんだ…
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