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腰を浮かせ、履き口をずらすのを手伝う。ボクサーパンツの中から目当てのモノを取り出すと、英介はそこで初めて、少し躊躇うような素振りを見せた。金色の髪を撫で、軽く引き寄せる。
小さく開いた口から、目が離せなくなる。柔らかい唇を擦って、自分のモノが呑み込まれていくのを、惹き付けられたように眺め続けた。
「英介……っ」
形の良い後頭部から、首筋に沿って指を這わせると、唾液を嚥下して喉が締まった。唾液と先走りに濡れた唇が、オレンジ色の照明で光る。
「あんま、がっつくなよ」
「ん……ンむ……」
英介の若さを盾に、稚拙な口淫に高鳴る胸を隠す。年甲斐も無くはしゃいで、英介に白い目で見られたくはない。
力を抜いて息を整えながら、改めて恋人の後頭部を見下ろす。泣いても怒っても可愛くて、時々とんでもなく妖艶になる。感じるのは愛しさばかり。
「英介……っ」
硬く勃ち上がった昂りに、英介の舌が這う。根元を支えるのとは反対の手が、いつの間にか自分のスウェットの中に忍び込んでいる。足で手の辺りに触れると、びくりと動きが止まった。
「固まってないで、来いよ」
腕を掴んで引き上げると、英介は思っていたよりもすんなりと動いた。良吾の足を跨いで、向かい合いに座る。
「お返し、な」
「ん、っ……」
立ち上がったそこに触れると、酔いに染まった顔が、更に赤くなる。
生地の上から撫でるようにしながら、半開きの口にかぶりついた。
「ふ、ぅ……りょ、良吾、っ!」
暫く口の中をまさぐっていると、英介が腕の中で身をよじった。股間に触れていた手も、退けろとばかりに押しのけられる。
「イきそうなのか?」
「ち、ちがっ……ばかっ」
耳元で意地悪く尋ねると、首をブンブンと振って否定する。
「違うのか?」
なら大丈夫だな、と腰を引き寄せるフリをする。スウェットに手を入れて脱がそうとすると、英介は慌ててその腕を掴んだ。
その様子に、むくむくと悪戯心が顔を出す。良吾の悪い表情に気付いて、引き攣ったその顔に、また何かがどくりと疼く。
「じゃあ何だよ。言ってくれないと、分かんねぇなー」
「っ、何言って……」
はくはくと口を開閉させる英介に目を当てながら、取り出したモノと自分の昂りを、ひとつに握り込む。そのまま上下に動かすと、グチュグチュと濡れた音が立った。
これ以上は本当に怒られる。暫く口を聞いてもらえないかも。そう自分を諌めるが、もう止められない。
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