出会い

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騒ぐ藤枝という生徒を座らせようと、後ろの生徒が腕を引っ張っている。その生徒は、先程目に付いた金髪の彼で、名前は確か、竹田と言ったはずだ。どこかは分からないが、ハーフらしい。タイプは大分違いそうだが、仲は良さそうに見える。 目が合うと、やはり逸らされた。 「後で皆に自己紹介して貰うから、その時な」 しぶしぶ座った藤枝を笑いながら、クラスメイトにも「ネタ考えとけよー」と軽く投げかける。 そのタイミングで丁度チャイムが鳴り、廊下の外がざわめき始めた。 「じゃあ、ホームルームはこれで終わりだ。1限古典だよな?担当俺だから」 「え、せんせ古典なの?」 教材を取りに出ようとすると、再び藤枝が声を上げた。 「なんだと思った」 「んー、体育!」 「体育教師は担任持たないだろー」 またクラスがざわめく。後ろの彼も、くすりと肩を揺らした。 「藤枝、ついでだから教材運ぶの手伝ってくれ」 「えー、なんでオレ」 「ん、名前覚えたからな」 「なんだそれー!複雑!」                            (おわり)
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