天リョーでエロいことして欲しい

3/7
前へ
/7ページ
次へ
冷たくなった指先で顔に触れると、そっと口付けられる。温かく柔らかい感触が、暗い映像をかき消してくれる。 息をつくのに離れようとする下唇に吸い付いて、リョーゴは次のキスをねだった。 「いっぱい、する?」 「んっ、あ……して、ほしい……頼む」 深く浅くキスを繰り返しながら、ラグウェルの掌が身体を撫でる。 細い指が襟足を掻き分け、首筋を辿って胸元をくすぐると、リョーゴの身体は熱を放たれて薄らと汗ばんだ。 「リョーゴ、かわいい」 「かわいい、言うな……ぅ、あっ」 乳輪をつつかれ、中心がぷっくりと立ち上がる。そこをスリスリと指で擦られると、むず痒いような感覚でリョーゴは小さく声を上げた。 つい最近まで、自分がそんな所を弄られて感じるなんて、少しも知らなかった。ラグウェルと出会って、どれだけ新しい経験をしたか知れない。 「勃ってるね」 「言われなくても分かってる……」 その多くを“そういうこと”が占めていて、こうして恥ずかしげもなく口にするラグウェルに、リョーゴは毎回、顔を赤くする羽目になっていた。 「照れなくて良いのに。ちゃんと気持ち良いってことだもん。嬉しいな」 「お前、それわざとじゃないだろうな…くっ……あ!」 下腹を撫でていた指が、熱を持ったペニスに絡みついてゆるゆると刺激する。 リョーゴは鼻先をラグウェルの首筋に押し付けて、熱い息を吐いた。青リンゴに似た微かに甘い香りが鼻腔をくすぐり、身体が快感を追い始める。 「かわいい…ね、もっと気持ちよくなって」 「う、んっンあっ……そんな、強くするなっ」 先端から零れる先走りと、その奥から溢れたものが、内腿を伝ってシーツを濡らす。 リョーゴは、自分だけが真っ裸で出来上がっていることに気付いて、急に羞恥心を覚えた。腕を伸ばしてシーツを取ろうとするが、与えられる刺激に気を取られて上手く力が入らない。 「リョーゴ。上、向ける?」 「ん、上……?」 「うん、そ……ちょっと腰上げて」 起き上がったラグウェルに肩を押され、体勢を変えた。中途半端な快感に朦朧とした頭で、言われるままに腰を浮かせると、脚を引き寄せられ、太腿がラグウェルの膝に乗り上げる。 そうなってしまってから、改めて取らされた格好を見て、リョーゴは顔を発火させた。 「ラグっ、これ」 「よし、これでよく見えるぞ」 「待て!全然よくない!」 「だって、寝っ転がってたら上手く動かせないんだよ」 至って真面目な顔付きで卑猥な手つきをしてみせる天使に、リョーゴは手で顔を覆った。 天使と聞いたら清純で無垢なんだろうと勝手に思っていたが、その考えは間違えだったと日々痛感している。 イメージに囚われてはいけないという、典型的な例だ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加