2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「…どう、この下着?、この日の為に用意した超高級『勝負下着』よっ」
「おおっ、何て色っぽい…、最高だよ、ママ」
「うふふふっ、そうでしょ?! この姿を見れば、誰でもイチコロ…」
しかしいきなり、バンッ、と扉が開いて、十数人のやさぐれた男女が乱入してくる。
「…おい、こんな所で何やってんだ、ああんっ?!」
「ここは俺らの事務所だぞ、なんでいきなり服脱いでるんだよ!」
「てゆうかあー、そのたるんだ肉をしまいなさいよ、この色ボケババアッ、きゃはははっ…、は…?」
下品な笑いが凍り付く。
ぴょこん、と『ママ』の頭の上に狐耳が飛び出したからだ。
ニヤリと笑う真っ赤な口紅。
その奥に鋭い牙がキラリ、と光り、周囲の音が消える。
「ほほう、あたし…いや、わらわに向かい『婆』とな? ぬしら、よほど命がいらぬとみえる!」
ゴゴゴゴ…、ゆっくりと大地が鳴動しはじめる。
「この下着に込めた意のとおり、勝負してやろう、ま、まともな闘いになどなる筈もなかろうが…、くくくっ」
ズズズズズ…! すくみ上がる男女らの前に金色の体毛をまとう影が大きく膨れ上がっていく。
「精一杯聞かせてくりゃれ、無駄な足掻きをなあっ、おほほほっ―」
キシャアアアーッ!!
そして彼らは、彼女らは叫んだ。
うぎゃああああああーっっっ!!!
最初のコメントを投稿しよう!