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写真
おばあちゃんに聞いたことがある。
(この写真人が沢山だねっ!)
すると祖母は懐かしそうに、また、恐る恐る話し出した。
(この写真はね、私が若かった頃に働いていた御店での写真さね。)
写真には女の人、男の人、老人や幼い子ども達が写っていた。その中で私の目に止まったのは若い男の人でした。男の人は目を布で覆っていました。
私が男の人がどんな人間だったか祖母に聞くと
(少し寂しい人で少し怖い人)
と言っていました。
頭はよかったが自身の身体を大切にしない人と。
御店
街の中心部にあるこの大きな建物は「霧野屋」と呼ばれている。現れたり現れなかったりの店。
なかは、広いが色々な部屋がある。寝るだけのスペースしかない部屋、本しかない部屋、楽器のある部屋、何かの実験室、子ども達の部屋。ざっとこの位だ。
客
ここにはたくさんの人がくる。
訳ありの人もいれば、のんびりと過ごす人も、国のお偉いさん方も来る。泊まっていく客もいれば日帰りの客もいた。そのなかでも、注目を集めていたのがまさに私の目の前にいるこの人間だった。
髪は黒で少し長い。そして何よりの特徴がこの琥珀色の瞳だった。この客は決まって電話と情報の揃っている部屋を取る。その部屋は「霧野屋」の中で最も情報のある部屋だ。部屋の名前は「水の間」と呼ばれている。
秘密
この店には入れるものと入れない者がいる。
それは例えば、人でないものや一度は死を見たもの、そして何かを得たもの。
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