そして私は心の中で叫んだ

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 あたしんちは社宅で、いつも歳の近い子たちとワチャワチャ遊んでた。  その中でも気が合ってるのは、ひとつ年下の圭くん。中学生になった今も、時々遊んだりする。  学校の帰り道、圭くんに呼び止められて、寄り道した。広い川の土手で虫を採るのだそうだ。そう、圭くんは、虫博士だ。  珍しい虫を採って、満足そうな圭くんと、土手に座ってたあいのない話をした。  ふいに話が途切れたので、あたしは思い切って聞いてみた。  「圭くんって、もしかして、あたしのこと好き?」  圭くんは虫かごから顔を上げて言った。  「うん、好き」  あまりのストレートにあわてるあたし。  「じゃ、虫は?」  「うん、好き」  圭くんは虫かごを持ち上げて下からのぞいてた。  あたしって虫と同列なの!?  あたしは心のなかで、思いっきり叫んだ!  「こっちだって好きなんに、どうよそれーーー!!」
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