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「嘘……だろ……」
何か光ったと思った瞬間、見知らぬ景色の中に放り出されて、オウサマからマオウトウバツを言い渡されてしまった。
当然の事ながら、着の身着のままの格好で、ろくな装備もない。
武器はそこらに落ちていた、木の枝。
……。
いや。
まぁ。……どっちかっつーと、悪いのって、オウサマじゃね?
あれがマジに隠しルートで、この世界の真実なら、俺はオウサマよりマオウに加勢したい。
……向こうには向こうの言い分とか、あるんだなって思ったし。
「どうしよ……?」
取り敢えず、本当かどうかを確かめる必要がある。
マオウの例から考えて、元の世界には帰れそうにないし、まずは出来る事から始めよう。
よし。景色的に、この辺に最初の村があった筈だな。
しばらく草原の中を歩いて行くと、すぐに村が見えてきた。
確か、ゲーム内ならマオウの支配下にあった筈だ。
躊躇する事なく村に入ると、最初の村人が話しかけてきた。
「旅のお方ですか?」
「あ、はい」
頷くと、村人が笑顔になる。
「ようこそお越し下さいました。ここはチコリ村です」
マオウの支配下にある村だというのに、全然悲壮感とかがないよな。
やっぱり、あのゲームは本当だったのかな。
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