第一章・―異世界の治安は果たして良いのか―

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 町を出て、マオウが残してきた数々の実績をヒントに、地道にレベルアップしていく。  あれ、ゲームだからすらすらやってるように見えたけど、当たり前に結構時間と根気が要る作業だ。  気が付けば夜。  とか、一週間くらい軽く経過していて、スマホのカレンダーを頼るならば、一年二年経つのがまるで一日のように、凄く時間を短く感じる。  何とか色々な作業を軽くこなせるようになってきた頃には、結構資金も貯まってきていた。  これで防具と武具を、それなりに一式揃えられそうだ。  最初の町に戻って、武器屋に行ってから、すぐ防具屋に寄る。 「ありがとうございましたー」  はぁ。  ステータスを確認してみる。  ようやくそこらのモンスターに負けないくらいの数値にはなった。  だけど、ゲームの通りなら、モンスターとわざわざ戦闘する気にはならないし、向こうからもまず襲ってこないだろう。  また町を出て、レベルアップを重ねながら、マオウに関する情報と、オウサマに関する情報を同時に集めていく。  聞けば聞く程、立場が反対になっているセカイだなぁ。  マオウを悪く言う者は一人もいないし、オウサマに対しては怯えている者の方が多い。  これ、マオウを倒すより、オウサマを倒す方が、セカイが平和にならないかな?  なんてレベルの話になっている。  もう結構な年月を経て、レベルも四桁に届くくらいにはなってきたし、オウサマに気付かれないよう、何とかマオウとコンタクトを取れないかな……。  ちょっと、話してみたいんだよな。  ……城、行ってみるか?  防具も武具も、なかなか強いものになっているしな。  まぁ、多分モンスター、襲ってこないだろうけど。
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