第一章・―異世界の治安は果たして良いのか―

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 そして出逢う、何かマオウの右腕っぽいモンスターに――。 「ユウシャよ、よくぞここまできた。この城にきたからには……」 「待ってくれ。俺は、マオウと対決しにきた訳じゃない」  何か、お決まりの台詞に加えて戦闘が始まりそうだったので、取り敢えず遮ってこちらの話を聞いてもらう態勢を見せる。 「……何をしにきた?」 「話をしに」  詳しい話をここでするのは、出来れば避けたい。  オウサマの手下とかが、どこで見ていたり聞いていたりするのか、分からないから用心しないとな。 「話を、だと?」  案の定、モンスターの方が話の理解るやつらしく、戦闘に入ろうとする手を下ろして、素直に聞いてくれようとする。 「このセカイを、救いたい」 「そのためにマオウ様を倒すのだろう」 「……詳しい話を、マオウとしたい」 「……」  肝心な部分を端折っているから、突然マオウ城に攻めてきたユウシャの言い分を、そのまま信じてくれるかは、最早賭けなんだが、とにかく説明するしかない。 「マオウ様に、危害を加えるつもりは、ないと?」 「あぁ」 「……」  俺が力強く頷いたのを見て、マオウの右腕っぽいモンスターが、しばし思案する風に顔を伏せる。  信じてくれるか……?  これで駄目なら、セカイは救えなくなる。  オウサマを倒すには、マオウの力も借りないと難しいからな。  何とかこいつを説得して、穏便にマオウのところまで連れて行ってもらわないと……。
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