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そして出逢う、何かマオウの右腕っぽいモンスターに――。
「ユウシャよ、よくぞここまできた。この城にきたからには……」
「待ってくれ。俺は、マオウと対決しにきた訳じゃない」
何か、お決まりの台詞に加えて戦闘が始まりそうだったので、取り敢えず遮ってこちらの話を聞いてもらう態勢を見せる。
「……何をしにきた?」
「話をしに」
詳しい話をここでするのは、出来れば避けたい。
オウサマの手下とかが、どこで見ていたり聞いていたりするのか、分からないから用心しないとな。
「話を、だと?」
案の定、モンスターの方が話の理解るやつらしく、戦闘に入ろうとする手を下ろして、素直に聞いてくれようとする。
「このセカイを、救いたい」
「そのためにマオウ様を倒すのだろう」
「……詳しい話を、マオウとしたい」
「……」
肝心な部分を端折っているから、突然マオウ城に攻めてきたユウシャの言い分を、そのまま信じてくれるかは、最早賭けなんだが、とにかく説明するしかない。
「マオウ様に、危害を加えるつもりは、ないと?」
「あぁ」
「……」
俺が力強く頷いたのを見て、マオウの右腕っぽいモンスターが、しばし思案する風に顔を伏せる。
信じてくれるか……?
これで駄目なら、セカイは救えなくなる。
オウサマを倒すには、マオウの力も借りないと難しいからな。
何とかこいつを説得して、穏便にマオウのところまで連れて行ってもらわないと……。
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