終わり

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何故ここにいるのか。 裕也が腕の中で頭を上げると克也の父親が悪戯が成功したかのように笑っていた。 「頼ることは弱さじゃない。強くあろうとする君は立派だけどあまり一人で抱え込みすぎず、克也や私たちにも力を貸せ!と言っていいんだからね。私たちはもう家族だろう?」 今度こそ涙が出てきそうだ、と思ったら強い力で後ろに引っ張られる。 「うわっ、」 「はぁっーーー、何触らせてんだ!父さんも!!」 克也の腕の中にいると認識した瞬間、目からありえないくらいポロポロと涙が溢れてくる。 勝手に溢れてくる涙に驚いて顔を上げると克也の父親はにっこりと笑った。 「夜ご飯は19時頃かな。それまでは二人でゆっくりしてなさい」 そう言って書斎から出て行く背中を見ていると身体が痛いほど強く抱きしめられる。 「なんで俺に何も言ってくれなかったんだ?そんなに信用出来ない?」 「違う!!!信用出来るし信頼してるからこそ今回のことは一人で頑張りたかった」 克也にあの男の所に話しに行くと言えば必ずついて行くと言ってくれたはずだ。 別に克也がついてこようがこまいが話すことが変わるわけでもないがこれからの為には一人で行くべきだと判断した。 「心配だ。やっぱり一緒に行かないか?何かあったらどうするんだ」 「何もないよ。話しをするだけ」 でも、という克也の腕の中で体の向きを変えて克也に抱きつき負けじと強い力を腕に込める。 「だから帰ってきたらよくやったって抱きしめて。今みたいにこうやって強くね」 それだけでどんなことにも立ち向かえる。 「分かった」
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