※触れて触れさせて。

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髪を濡らさないようにメイクを落とさないようにシャワーを浴びながらふと思う。 「毛………」 どうしよう。 もう前に見られているし、普段から適度にやってはいるものの、処理し忘れているところがあるかもしれない。 特に背中。 見えない分不安だ。 なんだかやたら大きな曇らない鏡に写して見てもわからない。 何回かくるくると回りながら見る事に挑戦したものの、結果はやはり同じ。 諦めて風呂を出るとバスローブが置いてあった。 下着をつけ、真っ白でふかふかなバスローブを着る。 大きなソファの真ん中にどっかりと座っていた佐古が出てきた董子を見て笑う。 「覗きに行くほど長くなくてホッとした」 ソファの前のテーブルには佐古が買った物が並べられている。 「好きなの飲んで食って待ってろ。俺もシャワーしてくる」 「はい」 「董子」 「はい?」 通りすがりに呼びかけられ見上げた顔に佐古の顔が近づく。 軽いキスをして佐古が耳を引っ張る。 「寝ないで待ってろよ」 わかってやっている。 囁く声が、色っぽく低い声が好きだとわかってやっている。 もう全て佐古の思い通りでもかまわない。 抱かれ、初めてを佐古で埋め尽くして欲しいのだ。 もう覚悟はとっくにできていた。 抱かれることも。 今以上に溺れることも。
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