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上を見ても下を見ても、横を見ても白だ。どんどん増えていく白が、顔に当たる。興奮した顔を冷やす。
この辺りでこんなことは数年に一度しかない。
二年生の時ぶりだ。あの時は、真壁くんとせじゅんと雪合戦をした。
せじゅんは真壁くんのいちばん仲のいい男の子で、関口純弥だからせじゅん。背が高い、口数の少ない男。わたし達がバドミントンをしていて、シャトルがグラウンドを囲む桜の木に引っ掛かると、とってくれる。
あの頃は男子も女子もなかったから、気楽だった。
今、わたしと真壁くんは気まずい。
ミキちゃんとわたしは絵本製作クラブで一緒になってから仲良くなった。
つまり、それまでは、同じクラスではあったけど、そんなにって感じだった。
今年の四月に新しく学校が、運動が苦手な子達のために作ってくれた絵本製作クラブ。そこで、隣の席にたまたまなって、一緒に作業する内に、いわゆる、気心がしれた。
イコちゃんとは元々とんでもなく仲がいい。一年で同じクラスになってから、変な感じになったことがない。
去年の林間学校で、女子皆で「私服は面倒だから学校のジャージを持っていこう」と言っていたのに、それを実行したのが、わたしとイコちゃんだけだったから、余計に仲良くなったような気もする。
何もお互い言わなかったけど、宿泊先の夕飯をジャージ姿で食べながら、わたし達は、何度も目をあわせ、大切なことを確認したと思う。
二人だけダサいかっこだったけど、誇らしかった。
そして、今年から、家の近いイコちゃんとミキちゃんとわたしは三人で遊ぶようになった。
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