明日

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明日

階段を一段一段降り防ぎきれなかった乾っ風に当たる度に、自分は甘い生活に慣れすぎたせいで、日が暮れた後での冬に残る尋常ではない寒さを乗り物の温かさで少しだけ忘れさせてもらっていたことが災いして、寒さで今苦しんでいると自分に試練が降りかかってきているかのように何度も思っていた、やっと到着した目的地のポストを寒さで震える手でまるで試練を乗り越えたかのような誇らしい顔で寒いながらも素早く開けたが中には何も入っていなかったことを確認した、やっぱり冬は不幸ばかりだ、早く家の中に入りたい気持ちを一層強め、ゆっくりポストを閉めた後に自宅の鍵をポケットから取り出し
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