土曜日の夜

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土曜の夜には 寛いで欲しい せめて 土曜の夜には みんな仕事が大変だから 業界の奴らは世界ツアーをやれと言う そんなもの、ほとんど何も意味はないよ 僕は世界中に認めさせたいわけじゃないんだ 僕たちのやってることを、 すきな人に見に来て欲しいって思ってる 無理矢理来てもらわなくていいよ 世界中に認めさせなくても、 すきだと言ってくれる人たちが居るんだ 皆が皆レディオヘッドになってどうするの 僕らはオアシスなんて目指してないよ コールドプレイも、全否定しないし、いい曲もあると思うけど、 俺らに関係ないから 僕の歌を嫌いだと言う人は少なくないって知ってるよ わかっててやってるんだ これが僕の声であり、これが僕の歌い方 それを変えたら 世の中にはつまらない音楽しかなくなる 誰の耳にもさわりのいい音楽は、 往々にして新しい世代を満足させることはない 新しい世代を満足させない音楽なんて、すきじゃないんだ 誰からもすかれたい奴なんか 音楽をやるな パートタイムの仕事じゃないんだ 命懸けで表現するんだよ 聞こえないのか 新しい世代の叫びが 聞こえないのか 彼等の求めが わからないのか それがどれだけ素晴らしいことか 彼等の飢えだけが素晴らしい音楽を生むってことを 僕は毎朝目覚めるたびに感じてるよ 次の世代の声をね それは美しい 冬に入る直前のロンドンみたいに 哀しみに堪えている中年女性の震える髪みたいに 電話を待つ人の我慢できないケータイに伸びる手のように
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