土曜日の夜

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嫌われるときには凄く嫌われることは 気にしなきゃいい 嫌われるのも仕事のうちなんだ 魅力的だって証拠 「ほどほどにステキ」なものは、誰からも嫌われないよ アンコールはやらない はじめから用意しておくアンコールなんて嫌なんだよ 君が拍手しても 僕は出ていかない 最後の曲を歌ったら 誰よりも先に出て行く マイクを捨てて お辞儀はするけど 手は振らない 四曲目で脱いで投げたから裸の上半身は、君たちに捧げたんだ 精一杯やったら いつも伝わってるじゃないか 愛想笑いなんか要らないって 君が教えてくれたよ やりたい奴はやればいい 知らないね 土曜の夜には 寛いで欲しい 何かできることはあるかな せめて 土曜の夜くらい 僕にできること 疲れた君に 君の気が楽になること 僕はそれがしたい 皆が疲れた顔で居るね 獰猛な二十一世紀が 罪のたいしてない人をも罰するように もっと疲れろもっとよこせと 怒鳴り続けているから 女たちはダイエットばかりしているね 僕には 着飾っても綺麗に見えない 痩せたがりの教養のない女たち 何処の町にも居てうろつき 枕から枕へ 性病をうつしながら 骨と皮みたいな女 語彙の貧弱な 僕の同胞のようでもあり さみしい女 マスコミはたまに誰かを僕が抱いたと書く 僕は答えを求められて答える 「抱いてはいないけど、そういうことにしたいならしてもいいよ」 君らはそういうのがすきなんだろ たまらなくすきなんだろ マスコミはたまに僕にゲイなのかと言う 僕は答える
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