汚い手紙

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源氏物語ってあるじゃない?紫式部が書いたさ、アレって自分の旦那やらと比べたら一期一会程度の男に股を開けるのを契りなんて綺麗な言葉で隠しながら書いてるんだよ?精神的にも身体的も裕福な平安貴族でさえその体たらくなんだから、所謂中流階級の僕たちがそれよりも醜い事は明白なんだよね。だから以上の事を踏まえて男と女も今好きな異性よりも魅力的な異性が好意を示してきたらそっちにのめり込むのは当然の事なんだよ。だから僕は愛が嫌いなんだ、これまで何百何千何億人に紡がれた言葉なんだろう、何兆回汚されたんだろう、こうやって文字に書いたら愛と僕って似てるね何回も綺麗な色で塗り固められて内側はドロドロに腐ってる所なんてさそっくりじゃないかな?。  だからさ、僕は一生君に愛を捧げる事はできないんだ。君が死んで僕の子供に生まれ変わったら捧げる事はできると思うんだ。親から子への愛って妥協と利潤が存在しない愛なんだよね、勿論そうではない親子もいるだろうけど僕の家では無償の愛だったよ。僕から の好意に飽きたら死ねばいいよ、僕は視力を失うまで泣き続けて水晶体を磨耗さして白くさせると思うけど、そしてさ僕の子に生まれ変わったらいいよ。  ごめんねこんな気持ち悪いの延々と書いてさ、正に迷惑千万だよね、けど君には嘘をこれっぽっちも付きたくなくってさ。  ここまで書いた色褪せた手紙が引き出しから出てきた。何回も読んだのだろう元々ピンクのレースの様な装飾が施されていたのだろうが、今では日焼けで黄色くなってボロボロになってる。少し指で触るとパラパラと机に溢れる。茶色一色で何も置かれて無い清潔な机に黄色の汚れが目立つ、前の席の子がフケ酷かったなと思い出しながら汚れを雑巾で拭き取る。  
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