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ややして、僕と葵咲ちゃんが追加オーダーしたものがテーブルに並ぶ。
修太郎氏によると、このお店はとにかくレバーが旨いらしい。
彼のお勧めにならって、レバーのたまり漬け、鶏レバーの葱塩がけは外さずに頼んだ。
それらとは別に、焼き鳥の盛り合わせ、自家製の燻製ベーコンが決め手というポテトサラダ、若鶏の半身揚げ、だし巻き卵、地元鮮魚の刺身、てんぷらの盛り合わせ、おにぎりなどが運ばれてくる。
僕は飲むとき、そんなにご飯ものは要らないんだけど、葵咲ちゃんはご飯を食べたがるのを知っている。
彼女にとっては、いま運ばれてきた如何にも酒のアテっぽい料理のあれこれも、恐らくはご飯のおかず感覚に近いんじゃないかと思う。
そしてそれは、普段余りお酒を飲みつけていないであろうかぐや姫も同じだったようで。
「わわわっ。一気にたくさんきたのですっ。ききちゃん、美味しそうなおかず一杯ありますし、一緒におにぎり食べませんか?」
かぐや姫がそう言っておにぎりの皿に手を伸ばそうとして、そこで僕らを交互に見つめてハッとする。
「あ、あのっ。おにぎり、2個しかないですが、私たちが頂いてしまっても宜しかったですか?」
割とこう、猪突猛進型?
僕は、言ってしまった後で慌てたようにオロオロするかぐや姫にクスッとしてしまう。
「そのつもりで頼んだものなので、もちろんどうぞ。――ですよね? 修太郎さん」
僕がそう声をかけると、修太郎氏がハッとした様に僕を見た。
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