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「あー、いた。おしゃべりしようよ」
人懐っこそうに、そのくぐもった声をかけてくる。
「昨日の話の続きしようよ」
吸血鎌鼬は、
あまりの恐怖に怯えている僕のことなど構いやしないようだ。
上で乗客がざわざわしているのを感じた。
「いや、そ、それは無理」
「えー、何で?」
吸血鎌鼬はあどけない様子で聞いてくる。
可愛い子供に構われているような気分になった。
どこか、断ったらかわいそうな気がしてしまった。
「あー、ちょっとだけならね!」
僕は吸血鎌鼬と向かい合った。
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