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「お前、随分と変わったなぁ」
「お前こそ人のこと言えねぇだろ、何だよその腹は」
「え? それなら、お前のさみしい後ろは何なんだよ」
ビールジョッキ三杯を空にして、互いに腹の中も晒し合う。
サラリーマンの哀愁だねぇ、と二人して居酒屋の座敷で慰め合いながら、それでも可笑しくって笑い合う。
「しょうがねぇだろ、もう不惑なんだからさ。頭も禿げるよ」
「ビールでメタボ腹にもなるよなぁ」
「ちょっと! 二人とも声大きすぎ!」
互いの老けて醜い体を、肴にしながらもう一杯やろうとしていると、中年男二人の斜め前に座っていた女が制した。
「お? かつての我らがアイドルが」
「そんなに怒ると、美人が台無しよ?」
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