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その後、康太さんたちにいじられながらも奏さんとお話して、あの写真は海水浴場のすぐそばの写真屋さんが私たちの写真をモデルに使う代わりにくれたものだと言うことがわかった。
そうこうしていると時間が遅くなってしまって私は先にぬけることにした。
「奏、瑠夏ちゃんのこと送ってあげて。」
「え、大丈夫ですよ!」
「いいよいいよ、酔いさましにもなるし。夜は危ないから、ね?」
「じゃあ、ありがとうございます。皆さん今日はありがとうございました!」
「お疲れ様〜また参加してね!」
正直少し前まで奏さんとふたりでは話しにくいと思っていたけど、さっきの話を聞いた後だともっと奏さんの事を知りたいと言う気持ちが強かった。
「でも、びっくりしたよ。あの写真の子が瑠夏ちゃんて全然気づかなかった。」
「私もです!…あの、実は私もあの写真大事に持ってたんですけどこの前破れちゃって…。だけどもう一枚を奏さんが持っててくれて嬉しかったです!」
「そっかー…。もし瑠夏ちゃんがよかったらもう一度あの写真撮りに行く?」
「…え?」
奏さんは誰に対しても一定の距離がある人だと思っていたし、私は入ったばっかりだから余計に距離を置かれていると思っていた。
だから奏さんの提案にはすごく驚いた。だけど奏さん、ずっと会いたかったあの写真の男の子と同じ海に行けることが単純に嬉しい。
「あ、ごめん!急にびっくりするよね。また皆で海でも行こっか。」
「…あの、奏さんが良いならふたりであの海行きたいです。」
「え、ほんとに…?」
「あ、けど彼女さん心配させちゃいますよね。」
「いや、俺今彼女いないよ。それより、さっきから瑠夏ちゃん可愛すぎてどうにかなっちゃいそう。」
「そんなことないです!」
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