1枚の宝物

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「ねぇ!こんなことしたのだれ!」 大学受験を推薦で終わらせ暇つぶしにはじめた部屋の掃除があんな事になるなんて…。 私の手にはきれいに半分に破れた一枚の写真があった。 その写真には小さな私ととにかくかわいい男の子が写っている。その子が誰か私も家族も誰も覚えていない不思議な写真だけど、なんだか大切にしたくてずっと宝物として持っていたのに。 「瑠夏ちゃんその写真大事にしてたのにねぇ」 「そいつを忘れて恋しろって事だよ。 お前は顔だけは良いんだからはやくいい彼氏見つけてこい」 「お母さんもっとびっくりしてよ。 お兄ちゃんは最近そればっかりうるさい!」 「うっさい!お前が彼氏つくったら俺に弟分ができんだよ。」 「なにそれ、くだらない。お兄ちゃんのためになんて彼氏つくらないもん!」
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