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サンタクロースのまご
もうすぐもりは、クリスマスです。
もりのどうぶつたちはクリスマスを、いまかいまかとまっています。
なぜって? それはね、クリスマスには サンタクロースにプレゼントをもらうでしょ。どうぶつたちは、それをたのしみにしているんです。
「なにもらえるかな~」「ドキドキするね」「たのしみたのしみ」
「プレゼントよりねてたほうがいいや」「ぼくおかしたべたいな」
と、みんなは ブツブツいっています。なんだか わくわくドキドキしてきます。
みんなこころがうきうきして、しんぞうが ドッキンドッキンなりました。
みんなは、クビをなが~~くしてまっています。
そのころ……そのころ サンタクロースはカゼをひいてねこんでいました。
なにしろサンタクロースはなんきょくにすんでいますから……。
「ハ…ハ…ハ…ハックショイ!! こまったな、ワシはもうすぐ、プ…プレ…ハックシュン……もうたまらん。これじゃプレゼントはくばれそうも……ハックシュン……ないなクシュン」
サンタさんのカゼは、にねんくらいつづくのです。
「そっそうだ。ハックシュン。まごに、くばらせよう。あいつもいいべんきょうになるだろハックシュ~ンハックシュウン!」
サンタさんは、ひとりごとのさいごにおおきくハックシュ~~ンとクシャミをしました。しゃべりすぎてのどがあかくなっています。
「ハックシューーーン」
ひどいねつです。
「バッグジュン!!!」
まるで、“ゴジラ”です。
もりでは、みんなやきいもをたべています。
「おいしいおいしい」「ハクシュン」「うん おいしい」「おいしい」
もちろんまだサンタクロースはカゼをひいています。
もりのみんなは、プレゼントのこともわすれています。
「さむいねえ」「うんさむいねえ」
そしてとうとうクリスマスイブが、やってきました。
「あっ すっかりわすれていた」「うん すっかりわすれていた」
もりは、がやがやしてきました。
そのころのサンタクロース。やっぱりカゼひきさん。
「ハーークシューーン」
ゆうがたになりました。しーんとしてきました。
よるになりました。おきているのはだれもいません。
「おそいなー」
サンタクロースのまごは、クリスマスにだけかえってくるのです。
「あったまきた おーい ハックシュン」
サンタさんのまごが、ソリにのってやってきました。まごはサンタのわけをききました。
「……というわけで……」
「まかせとけ!」
「ありがとうハックシュン」
そしてサンタクロースのまごはプレゼントをもって、でかけていきました。
ところが、サンタクロースのまごは だいのいたずらずきだったのです。
プレゼントはやまおくにかくして……さてなにをプレゼントしたでしょう。
うさぎには、オバケのぬいぐるみ。うさぎは、たおれてしまいました。
つぎは、アライグマ。はこをあけたら、びっくりばこ。
ビヨヨヨ~ン。
「うわ~~たすけて~~!」
こっちもこしをぬかしてしまいました。
みんなひどいめにあいました。
いちばんひどかったのは、なによりもネズミです。
あさ、おきたら あなのなかが ゴミだらけ。いきができない!!
「くるしいよ~」「たすけて~」「サンタのばか~」
それから、もりでは、プレゼントという ことばだけで みんながふるえあがるようになりました。
そして サンタクロースのまごは……ひどいめにあったんです。モグラにあげた われたメガネよりひどいのです。
まごが やまおくにもどって ふくろのなかをみたら……オバケのぬいぐるみがありました。
「な……なんだ ぬいぐるみ…じゃ…んか」
「うらめしや~」
それは ほんもののオバケだったのです。
「うわ~~」
ほかのプレゼントをみたら……
へんなのばっかり……まごがいれたのとおんなじやつです。
「うわ~~ひえ~~」とまごはにげていきました。
アララ サンタさんもいたずらずきなのね。
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