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あの日以来、主はワタシに触れなくなった。
何処かへ出かける時も1人で出掛けてしまう。
写真の日付は2009/4/6で止まっている。
穴だらけだった壁もすっかり無機質になってしまった。
マスキングテープはいとも簡単に剥がせてしまう。
跡など残る筈もない。
形を与えられしモノのあはれなコトよ。
森羅万象に限りがあると知りながら、永遠を妄想し、祈りを垂れ流す。
永遠を望んだモノを失くしては失くしたコトを忘れ、また永遠を祈る。
不変に思われる89×127もそうでないというのに。
ニンゲンは何故、写真という形をモノに与える?
触れられるモノにした後、閉じ込める為か?
触れられるモノにした後、壊す為か?
神にでもなったつもりか?
笑わせるな、ニンゲンよ。
主よ、お前さまもそうなのか?
ならば何故ワタシを壊さない。
ならば何故ワタシを手放さない。
まったく、しょうがない主だ。
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