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目的地に到着すると、入口のガチャポンコーナーには『底辺ホストの水田くん』の台があった。横から覗いてみると、残りは2段程度しかないが、その2段目のところに、七栄の好きなキャラクター――いわゆる“推し”である『栗原くん』の激レア缶バッチが残っていた。激レア缶バッチというのは、ノーマルヴァージョンのそれに比べると、表面がキラキラと光っていて、栗原くんの表情も服装も違っている。
だから、激レア栗原くんは、中古品を扱うアニメショップでは、鍵のかかったガラスケースに厳重に保管されていて、7,800円もの値段がついていた。とても七栄に手の出せる金額ではなかったので、当然ながら、その店で入手するという手段は諦めていた。
今までやった4回のうち、やっと先週、運よくノーマル栗原くんが手に入ったものの、月初めの1回とその翌週にやった2回目は散々な結果だった。というのも、2回連続であまり好みではない、というよりも、どちらかといえば嫌いな『武内くん』の缶バッチが出たからだ。そして先々週、3回目にまわしたときには、キラキラ缶バッチが出たが、それは好きでも嫌いでもない主人公の『水田くん』だった。
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