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七栄は今日、昼食を済ませてから家を出た。ICカードは持っていたが、残額があまりなかったので徒歩で1時間5分かけて店までやってきた。そのため、到着したのは14時を少しまわっていた。
アニメショップの閉店時間は20時。現在時刻は18時半。既に、4時間以上も待っている。そのあいだ十数名、『底辺ホストの水田くん』の台をまわしたが、激レア栗原くんを引き当てた人はいない。七栄は目的の台から人がいなくなるたびに、横から覗いて中の様子を確かめていた。
18時半現在、残りはもう1段で、しかも半分程度しかなく、見える範囲での残数を数えると、11個しかない。激レア栗原くんのプラスチックケースの色は黄色だった。黄色の玉は3つ残っているが、残りの2つはノーマル水田くんとレア水田くんなのが確認できる。だから、透明の部分が見えていなくても、どの玉が激レア栗原くんなのか、七栄には把握できた。栗原くんの黄色い玉は、どちらかと言えば中央寄りのところまできていた。けれども、その下にいくつか見えない玉が潜んでいる。手を出すのはまだまだ先だ。
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