二時間遅れのイブ

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 今日は気分がいい。なぜならようやく念願叶って彼を見つけることができたからだ。彼は元いたアパートから結構離れた場所に引越しをしたらしい。本当ならもっと早くに会いに行きたかったけど、居場所を探すのに手間取ってしまった。いなくなってしまったときは悲しかったけど、これでまた彼と一緒にいられる。それからというものわたしは彼のことをずっと見ていることにした。朝、彼が起きてから家について眠るまでずっとだ。そうでもしないとまた彼の体がおかしくなってしまう。それだけは防ぎたい。わたしにできることなんてささいなことかもしれない。だけどわたしは彼の力になってあげたい。  彼が新しいアパートに移ってひと月が過ぎた。彼の体調はまだ良くないらしい。ずっと部屋に引きこもってばかりいた。前の会社の仕事がよっぽど激務だったのだろう。そうか。彼をこんなふうにしてしまったのはあいつらのせいか。だったらそんな場所なんてなくなってしまってもいいよね……?  そこからさらにひと月がたった。彼は少しずつ調子を取り戻してきていたようだった。わずかだが、部屋から出ることもあった。よかった。これもわたしが彼を苦しめたあいつらを消したからに違いない。もっと早めにこうしておくべきだった。これで彼も喜んでくれる。
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