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イブが近づいてきた。街も色とりどりのイルミネーションで飾られて、クリスマスムードでいっぱいだった。彼と過ごすイブを思うと毎日が幸せだ。そのときはちゃんとわたしの思いを伝えよう。そうすればきっと本当の恋人になれるはずだから。
……今日は嫌なことがあった。いつものように彼の家の前で立っていると彼の部屋に知らない女の人が入っていった。いつもわたしだけに向けてくれていたはずの笑顔もその女に向けられていた。どういうことだろう。彼はわたしを愛してくれていたはずじゃなかった……? もしかしたらなにかの見間違えかもしれない。そうだ。きっとそうだ。きっと。きっと。きっと。
彼が裏切った。わたしを愛していたハズの彼はもういない。あの笑顔も嘘だった。もうなにも信じられない。ああ。イブなんてやってこなければいいのに。
あの女を殺した。わたしと彼の邪魔をする奴は誰だってユルサナイ──。どうしてみんなわたしと彼の邪魔をするのだろう。こんなにも彼のことをアイシテイルノニ……。
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