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しばらくしてわたしは彼の家に上がるようになった。部屋での彼はいつも疲れたと言ってすぐに寝てしまっていたが、わたしは彼と一緒にいられるだけでよかった。彼の安らかな寝息をそばで聞いていられるだけで幸せだった。
わたしは彼のことがとにかく好きだった。好きで好きでたまらなくて、頭の中はいつも彼のことでいっぱいだった。
ある日、彼が好きな食べ物の話をしていた。それを聞いたわたしはいてもたってもいられなくて、すぐにそれを作ることにした。スーパーで食材を選び、部屋に戻って作る。その間の一秒さえも彼の喜ぶ顔を思うと幸せに感じていた。
それからもわたしはことあるごとに彼の部屋に行っては料理を作るようになった。なかでもわたしが一番得意としている肉じゃが。彼は喜んで食べてくれるだろうか。
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