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慎太朗くんとの話し合いも終わって、スッキリするはずだったのに私の中ではまだ少しだけわだかまりが残っている。
飲み込もうとしても、喉のどこかで引っかかって消化できない。
それは、美奈さんのことだ。
私がそんなこと考えたって仕方のないことなのだけれど、だからこそ解決策がなくてスッキリしないんだろうな。
「すみません、初めてなんですけど……」
「あ、はーい……あれ、」
「あっ」
午前の診察がもうすぐ終わるという頃、私の職場である産婦人科に現れたのは慎太朗くんの元カノ・美奈さんだった。
保険証と他院の名前が書かれた紹介状の入った茶封筒を出されると、私の前に故意に現れた訳では無さそう。
私も彼女も目が合って少し気まずくなる。
世間狭くないですか。
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