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「尚也今日は何やる?」
「英語。文法まだ曖昧なとこあるし。」
「俺もー!ってか昨日塾で坂Tが文法の要点みたいのやってくれたけど、あれ意味分かった?」
「あんまり。な〜んか分かってる前提で進められ
ちゃった感じだったよな。まぁ分かってるのが当たり前なんだけどw」
「確かにwでも塾の先生ならもうちょい細かくやって欲しかったよな〜。明日ちょい早めに行って聞きに行かねえ?」
「そうするか。」
ドリンクを半分程飲み進めるまでは、女子のように何てことない会話をしながら少しリラックスするのがいつもの俺たちの流れだ。そして残りの半分をちびちび飲みながら、それぞれ勉強に集中する。
時々
「「保険」って英語でなんだっけ?」「「insurance」!」
「サンキュ。」
と言ったようなやり取りをするが、視線はお互い
下を向いたままだ。
英語はもともと嫌いではなくてむしろ好きな方だったが、受験勉強が始まってからの出題される問題の難しさに最近は疲弊していた。「知らない言葉を習得するのが楽しい!」なんて感覚はとうに消え去り、今はただただ点数を上げるための文法の理解や
長文読解など、「受験のために必要な勉強」としか思えなくなっていた。そんな感情の変化もあってか、英語の点数は伸び悩んでいた。
(何で頭に入らないんだ。)
(もっと、もっと勉強しなきゃ。)
最近はそんな焦りが常につきまとっている。
(受験勉強前までは、英語は楽しかったのにー。)
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