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耳に入ってくるノイズが増え始め、店内が少し混み始めたことが分かった。俺たちの隣もずっと空席だったが、程なくして誰かが座った。
「良か〜!ここ…空いて…!」
「今日やば…どこまで…」
「こないだは…分かんな…」
問題に集中していても、隣の席の会話が途切れ途切れに聞こえてくる。
切りの良いとこまで問題を解いて、「ふーっ」と
軽く肩の力を抜いた時、
「「I'm going to〜」ってのは自分の決意とかを表す感じね。「will」よりも意思がはっきりしてる時に使う イメージかな。」
そんな会話が耳に入り、ふいに体が反応する。
それは達樹も同じだったようで、うつむき加減ながらもお互い目が合った。二人で不審者にならない程度に ちらっと隣のテーブルを横目で見やる。
女性の二人組がノートとテキストを挟んで何やら話をしている。大学生…ほど若くはない社会人数年目といったところだろうか(失礼だけど)。
「で、発音はカタカナで表すなら「アイガナ」ね。」
「えっ、でも英語の授業でやった時は先生が「アイムゴーイングトゥー」で発音してたよ?」
「ん〜まあ通じるっちゃ通じるけど、会話って考えると「I'm gonna」の方が圧倒的に自然だね。」
英語を喋れるんだなというのが分かる、普通の日本人にはできない英語の発音で相手に教えている。
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