すきの魔法。

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ある日。 委員会で遅くなった時、暗くて危ないからと同じ委員会で残っていたクラスメイトの佐伯くんに家まで送ってもらった。 「じゃ、ウチここだから。  送ってくれてありがとう」 「うん。  今日は委員会お疲れ様」 佐伯くんは自分の自転車にひょいと乗ると、手を振ってサヨナラしてくれた。 玄関を開けて、カバンを置きに2階の自分の部屋に行って部屋に電気を灯すと、窓ガラスにトンを何かが当たる音がした。 その音は、あつしの家の方からで。 私の部屋から隣のあつしの家とは屋根を飛び越えてこれるような距離で、2階の窓を開けて話すのには十分な距離だった。 そして、あつしがいつも私に用がある時、うちの窓へゴムボールを当てる、合図の音だとすぐに分かった。 私はカーテンを開けて 「何?」 向かいの窓にいる、あつしへと声をかけた。
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