すきの魔法。

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そして、私はあつしから質問攻めされる。 「さっきの誰?」 「クラスメイトの佐伯くん」 「ふーん。  付き合ってるの?」 「え?  送ってもらっただけだよー」 「それだけ?  嬉しそうにさよなら~って声が聞こえたけどぉ?」 「はぁー?  何、言ってんの?!」 「……あぁいう奴が好きなんだ?」 「佐伯くんはただ遅くなったから、親切に送ってくれただけで。  あぁいうって、どーゆー意味よ!  ばっかじゃない?!」 もう駄目だ…。 あつしと話すと、いつもこんな感じ。 「あぁー。  オレはどーせ親切じゃないさっ」 「そうね。  あつしは毎回違う女の子連れて歩いてるもんね!」 私のこの言葉に、あつしはキッと鋭く私を睨みつけ、バシャっと音を立てて窓を閉めた。 あつしは私に背中を向け、部屋の中へと消えていった……。
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