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…え? 待って?
と、言う事は…。
今。
あつしが魔法を、
私にかけたって…こと?
私が頭で理解をしている時、あつしが先に話し出した。
「オレ、お前にはチャラチャラしているように見えてるようだけど。
ホント、誰とも付き合ってもないし。
興味ないから。
だって。
だって、オレ。
6歳からオマエ一筋なんだけど。」
!!!!!
おばあちゃん、魔法効いてたみたい…!!
照れくさそうに俯いたあつしに、私が答える―。
「……それは。
私が、あつしに、魔法をかけたからかもねっ」
「えっ?!」
「6歳の頃、リビングで寝てたあつしに私が魔法かけたの」
あつしが顔をあげると、目が点になってた。
私はそのあつしの顔が可笑しくて、可笑しくて。
私が笑うと、あつしの顔も笑顔になって。
「やべっ、遅刻する。
行くぞ!」
「うんっ!」
私はあつしの差し伸べた手に、自分の手を重ねた。
あつしの手はとても冷たくて。
その手を私はぎゅっと握りしめた。
駅まであつしの背中を追いかけつつ、私は空を見上げた。
だって、澄んだ青空のむこうからおばあちゃんが笑っているようなきがして。
そして、私は空にウインクをした。
~fin~
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