ボクのサンタクロース

ボクがおもちゃで遊んでると、ママがいつも言うんだ。

「片付けなさい」って。

「ほら。
　このおもちゃ、遊んでないでしょ？」

ママがそう言って、ボクの後ろにあった新幹線のおもちゃを持ち上げたよ。

ううん。

後で遊ぼうと思ってたのに。

「ほら。この本も！」

ううん。

今から読むつもりだったのに。

だんだんママの目が、眉がつり上がってきたよ？って思った瞬間。

「かーくん、知ってる～？
ブラックサンタって。
　いい子にしてる子には、普通の真っ赤な服を着たサンタさんがきてくれるんだけど、こうやってお片付けやママの言うこと聞かない子のとこには、ブラックサンタがやってくるんだよ」

「ブラックサンタ？！」

「そう、ブラックサンタ。
　ブラックサンタはね、かーくんのおもちゃみんな持って帰っちゃうわよ！」

「やだ！」

「なら、お片付けしなさいよ～」

「ううんっ！
　ブラックサンタなんて、いないもん！
　ウソだもん！」

「信じないならいいわよ。片付けなくても。その代わり、クリスマスがきたらかーくんのおもちゃ、みんなブラックサンタが持って帰っちゃうから」

かーくんママはそう言って、持ってた新幹線をおもちゃ箱へ入れ、子供部屋のドアを開け出て行きました。