ボクのサンタクロース

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一度はウソだと思った、かーくん。 だけど。 子供部屋にひとりいると、だんだん心配になってきました。 「ブラックサンタなんていないさ。  ママのウソだもん・・・ねぇ?」 不安になりながら、かーくんはおもちゃをおもちゃ箱の中に放り投げ、ママのいるキッチンへと足早に向かいました。 「あらっ。  もう片付けたの?」 ママはかーくんにすぐ気付き、声を掛けましたが、かーくんはママと目を合わせずに、 「うん。  まぁ~ねぇ~」 と、語尾を延ばして答えました。 それからぐるりとキッチンの天井を見渡して、 「ね、さっきの話だけど・・・・・・」 と、ママに話し掛けました。 「さっきの話?」 ママは不思議そうな顔をして返事をして、やかんの乗ったコンロの火をカチッと音を立てて止めました。 「う、うん。  ブラックサンタの話なんだけど」 「あぁ、それか~」 かーくんが話しづらそうに話すと、ママはクスッと笑って、 「おもちゃも片付けた事だし、おやつにしようっか?」 コーヒーカップの中にポットのお湯を注いだ。
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