1人が本棚に入れています
本棚に追加
一度はウソだと思った、かーくん。
だけど。
子供部屋にひとりいると、だんだん心配になってきました。
「ブラックサンタなんていないさ。
ママのウソだもん・・・ねぇ?」
不安になりながら、かーくんはおもちゃをおもちゃ箱の中に放り投げ、ママのいるキッチンへと足早に向かいました。
「あらっ。
もう片付けたの?」
ママはかーくんにすぐ気付き、声を掛けましたが、かーくんはママと目を合わせずに、
「うん。
まぁ~ねぇ~」
と、語尾を延ばして答えました。
それからぐるりとキッチンの天井を見渡して、
「ね、さっきの話だけど・・・・・・」
と、ママに話し掛けました。
「さっきの話?」
ママは不思議そうな顔をして返事をして、やかんの乗ったコンロの火をカチッと音を立てて止めました。
「う、うん。
ブラックサンタの話なんだけど」
「あぁ、それか~」
かーくんが話しづらそうに話すと、ママはクスッと笑って、
「おもちゃも片付けた事だし、おやつにしようっか?」
コーヒーカップの中にポットのお湯を注いだ。
最初のコメントを投稿しよう!