ボクのサンタクロース

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それからママはリビングへ行くようにボクに言うと、白い丸いお皿にバニラの香りのするクッキーを並べ、白い湯気の立ってるティーカップを2つ、テーブルまで運んでくれた。 1つは甘いココアの香り、ボクの。 ママのは、ちょっぴり刺激的な大人の香りがするコーヒーだった。 ボクがお皿からクッキーを1つ取った時だった。 「ブラックサンタはね~」 ママがブラックサンタの事を話し始めた。 「普通のサンタさんって、赤い服を着てるでしょ?  ブラックサンタは名前のとおり、黒い服を着てくるの。  で、おもちゃを置いていかずに、空っぽの白い袋を持ってきて、それに全部おもちゃを入れて盗んで行っちゃうの」 「えぇっ?!」 かーくんは持ってたクッキーを思わず落としちゃいそうになるぐらい、びっくりしてしまいました。 「すごく大きな袋だからね、かーくんのおもちゃなんて全部入っちゃうよ?」 「ぜ、全部?!  新幹線も、変身ベルトも?  おもちゃ箱のおもちゃ、全部?!」 「えぇ、全部よ!  嫌なら、ちゃんとママの言うことを聞いていい子にしててね~?」 「う、うんっ」 かーくんは持っていたクッキーを慌てて口へと運び、頭の中で真っ黒な服を着たサンタさんを想像しすると、美味しいはずのクッキーも味がしませんでした。
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