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パチンと部屋の明かりを付けてくれた、ママ。
「ブ、ブラックサンタがね。
ブラックサンタが来たんだ!
さっき!!」
「え?
ブラックサンタ?!」
「ボク見たんだよっ!
部屋に入ってきて、ごそごそしてる、ブラックサンタを!!」
泣きながら慌てて話すかーくんを、お母さんがギュッと抱きしめました。
「クスッ。
まって、かーくん」
「ん?」
「ほら、見てみて? おもちゃ箱。
ちゃんとおもちゃあるわよ?
ブラックサンタなら、全部持っていってるわよっ」
ママにそう言われて、かーくんは明かりのついた部屋の中をぐるりと見渡しました。
ママの言うとおり、おもちゃはそのまま部屋にあります。
「え?
・・・・・・じゃぁ、さっき見たのは?」
かーくんはそう呟くと、慌てて今度はベッドの横を見ました。
ベッドの横につるしていた白い靴下の中には、綺麗にラッピングされた大きな長方形の箱がありました。
「真っ暗だったから、見間違えちゃったのね」
ママはそう言うと優しくボクのおでこにキスをして、
「遊ぶのは、明日になってからね。
さっきね、雪が降ってきたわ。
明日はホワイトクリスマスになりそうよ。
ゆっくりおやすみなさい」
ボクに2度目のおやすみをした―。
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