20人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
途中、家事・育児専念期間を含みながら、いくつかの仕事に就いた。
逸美が小学校入学時に勤め始めた会社に、今もずっとお世話になっている。
会社まで、愛車の軽自動車で片道五分(もかかっていない)。一日三時間の経理事務補助の仕事。すっかりベテランのパートになってしまった。
愛しのダンナ様(という事にしておきます)の職場は、自動車の販売・修理をしている。
五年前、ダンナは営業所の所長となった。四十代前半での所長への昇進はそんなに多くないと、同じ職場にいた頃、聞いた事があった。
ダンナの帰宅時間が遅くなり、休日出勤が増えた。
それほどお酒が強くないダンナだが、仕事関係の“付き合い”も増えた。
責任のある立場だから……と、理解はしているつもり。
ちゃんとわかっている、はず。
なのに……
私と娘達、三人だけの時間が増えるのに比例して、“寂しさ”も募っていくようだった。
話しかけても、話をちゃんと聞いていない。聞き流されている事は、日常茶飯事だ。
まるで独り言を言っているようで、虚しさを感じる事も度々あった。
そんな私の気分転換の一つが、数少ない友人達との飲み会。
職場の飲み会にも参加はするけど。ベテランパートのおばさんとして、節度をわきまえて参加している。
二十～三十代の男性社員さんの下ネタを耳にはさんでも「若いなぁ～、かわいいなぁ～」と感じてしまう。
高校の同級生だった友人達との付き合いも、ほぼほぼ三十年となる。
最初のコメントを投稿しよう！