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「しずくも、ごめんなさい」
「…君は謝る事なんて無いだろう」
「…ううん、しずくも、宗くんが他の人と話してるの…嫌だから」
だから一緒、と小さな声で言われた言葉に驚いて顔を上げると、秘密を打ち明けるような瞳と目が合う。
「本当はずっと、一緒にいたい」
「…あぁ」
「しずくのこと、見ててほしい」
しずくが熱い指でそっと頬に触れて、額を合わせた。
「宗くん、だいすき」
「…私もだよ」
「きらいって言って、ごめんなさい…」
そっと目を伏せたしずくに誘われるように、宗一郎は唇を合わせる。
そのまま甘く食めば、恐る恐るしずくの舌が宗一郎の唇を舐めた。
「ぁ…っ、む」
ぐっと口付けを深めて舌を絡めれば、びくりと跳ねたしずくの手が宗一郎のシャツを握る。
「ぁ…っ」
唇を離して敏感に反応を返す細い腰を抱き寄せれば、しずくが小さく声を上げて熱い息を吐いた。
「…しずく、どうしたい?」
「…ん…っ」
服の上から胸元に手を這わせば、潤んだ瞳が宗一郎を見つめる。
濡れた自分の唇を舐めたしずくは、そっと宗一郎の唇を撫でた。
「…お水、もっと飲みたい」
「ん…?」
予想外の言葉に目を瞠れば、しずくが傍にあったペットボトルを宗一郎に差し出す。
──成程。あれがしたいのか…。
素面では絶対に言わないであろう可愛いお強請りに頷いて、宗一郎はペットボトルの蓋を緩めた。
そのまま再び口移しで水を飲ませてやれば、しずくは満足そうに微笑む。
「ふふ、おいしい」
「…しずく、誘ってるのか」
「ん…」
しずくにそんなつもりは無いのかもしれないが、このままでは止まらなくなりそうだ。
「宗くん、もっと」
「…分かった」
──今日はしずくの言う通りにしてやろう。
ため息をついた宗一郎は頷いて甘い罰のような可愛い要求に応える。
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