死者と愛情と恋と涙

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翌日は、カラッと晴れていたが夜に降った雨のせいで足元はぬかるんでいた。 念の為ヒールの低いパンプスを選んで履いたが、この場合はヒールの高さを利用してパンプスを犠牲にして足を守る方がいいのか悩ましい。 幸いにして斎場までの道のりには土がメインの道は無かったので足元はそれほど気にしなくてよかった。こうなると体裁的にもヒールがほとんどないパンプスで正解だったと思える。 故 浅井家 と書かれた看板を見ると、不思議と浅井くんを遠く感じた。人の気配がまばらなので、早すぎたかなと手持ちのスマートフォンを見ると待受画面には、いつだったか浅井くんとの初デートの写真が貼ってあって、まるで他人のスマートフォンを見ているかのように、2人の笑顔を眩しく感じた。 なぜ昨日は近く感じて今日は遠いのだろうと不思議に思っていると、背後から声をかけられた。
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