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「でも、先輩って肌キレイな方ですよね。」
「そ、そう?やっぱりニキビは潰しちゃだめってことやね。」
おかげ様で今は一つのニキビもない。まあまあ肌はキレイな方だと思う。ただ、今でも写真は嫌いだけど。
「俺も最近ニキビ多いんすよ。化粧水切れたし、買わんと。」
と言って、僕のレジに詰め替え用の化粧水を置く。閉店間際だと、アルバイト店員も買い物をする余裕が多少はある。
「ストレスでもあるん?うわ、結構高いね。」
「いやあ、そりゃあ最近、教育実習で先輩に会えんかったけんストレスっすよ。これ、詰め替えでも1,000円近くしますよね。」
ときめいた時って本当に心臓がキュンとするんだなあって思う。ああ、絶対顔赤くなってるよ。
「先輩もおすすめっすよ、この化粧水。こういう努力を続けて、美しくなれるんすよ。」
昨今、男子でも化粧水に乳液はもはや当たり前である。僕でさえ、風呂上りには化粧水と乳液でばっちり保湿している。高校の修学旅行で、風呂上りに屈強な野球部や柔道部がペタペタと液を顔に塗りこんでいる光景はシュールだった。僕の男友達の何人かはパックまでしているというから、驚きだ。僕らがおじさんになった時は、キレイなおじさんが増えてるのかな、なんてくだらない妄想をしたりする。それともやはり年には抗えないのか。夜中にパックしてるお父さんなんて考えただけでもゾッとするけど。
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