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次のアルバイトは3年生が一人もいなかった。
「あれ、今日って写真、どうするんですかね。3年生さんいないですけど。」
「ああ、撮らなくていいんやない?」
何とか撮らせず済む方に持っていこうとする自分があさましい。
「イヤ、撮りましょうよ。僕のスマホで撮って、送っとくんで。」
皆はすでに、写真を撮るスタンバイをしている。3か月前に入ったばかりの女の子が手招きして僕を呼んでいる。
「・・・わかった。」
やっぱり、思春期のコンプレックスってなかなか抜け出せないものだなと思う。せめて、後方に陣取って、顔が目立たないようにしたい。
「先輩、遠近法じゃないんですからもっと近づいてくださいよ。」
「そうっすよ、それじゃ3年生さんに送れないっすからね。」
その時、僕はあることをひらめいた。その瞬間、不細工だけど顔中ブツブツだらけだったけど、ほんの少しだけ気にならなくなった。全然、男らしくなかったけど頑張ってみたかった。まさか、こんなことでとは思うけど、わずかな可能性にでも賭けずにはいられないんだ。
「分かったよ。」
観念して、僕は前方、後輩たちに挟まれる形で位置をとった。
「はい、チーズ。」
連続して、2、3枚ほど写真を撮る。スマホを収めようとする後輩に向かって僕はこう言った。
「ねえ、もう一枚とってもいい?」
「いいですよ。どうしたんすか?写真嫌いなのに。」
「僕と二人でとろう。」
「本当にどうしたんですか?まあ、全然いいですけど。」
笑いながら、スマホを前方にかざす。2年生の彼はアルバイトの中でも一番の美形だ。学部でも知らない人はいないくらいの人気者らしい。
「いや、彼女にとってもらおう。」
僕は、入ったばかりの女の子に撮ってもらえるよう、頼んだ。自撮りの何が嫌いかって、撮るときに自分の顔を自分で見なきゃいけないのがイヤなんだ。でも、人から撮ってもらったら、結局映りが良くないから。撮るときに恥ずかしいか、後から見るときが恥ずかしいかの違いなのかもしれない。
僕は、イケメン君の肩をぐっと引き寄せて、ピースサインを作った。
「良い感じですよ、先輩たち。顔面レベルがちょっと釣り合ってないですけど。」
まあこんな感じで、僕は入ってきたばかりの新人からも舐められやすい。
「じゃあそれ、3年生たちに送っといてね。」
「分かりましたあ。」
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