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ふたまたの左手のほうへ進むと、少しさきに泉があった。噴水があって、そこから湧く清水を飲むと、疲れがすっかり、ふっとんだ。HPもMPも全回復だ。
「ああ、このまわりでレベルアップができるやつだぁ」
「ちょっとレベル上げといたほうがいいかもしれませんね。僕も、このさきには行ったことがないんです。なんだか、ここからさきに強い気配があるので」
「えっ……?」
蘭さんの危険察知は絶対だ。
今まで外れたことがない。
ということは——
「もしかして、ダンジョンボス?」
「そうじゃないかと思います」
「どのくらい強いの?」
「離れてるので、ハッキリとはわかりませんが、レベルはたぶん20くらい。ミノタウルス……じゃないかと思います」
ミノタウルスかぁ。
会心の一撃をめちゃくちゃ、とばしてくるやつじゃないか。
マズイぞ。僕はバグのせいで、クリティカル攻撃をまったく、かわせないんだよな?
ヤバイ。それって僕の天敵だ。
「固定ボス?」
「じゃないかと」
せめて、レベルをあげとこう。
僕らは、いやしの泉を最大限に利用した。僕はレベル14に。蘭さんは17。三村くんは15になった。ワレスさんにいっぱいレベル上げといてもらってて、ほんとによかった。
これなら、なんとかミノタウルスと戦える……かな?
僕らは恐る恐る、出口へむかっていく。
ドキドキドキ。
前方が明るくなってきた。
すると、そのさきに、やつがいた。
頭にツノを二本生やした獣人。
まちがいなく、ミノタウルスだ——
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