三章 勇者ご一行の旅

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 ふたまたの左手のほうへ進むと、少しさきに泉があった。噴水があって、そこから湧く清水を飲むと、疲れがすっかり、ふっとんだ。HPもMPも全回復だ。 「ああ、このまわりでレベルアップができるやつだぁ」 「ちょっとレベル上げといたほうがいいかもしれませんね。僕も、このさきには行ったことがないんです。なんだか、ここからさきに強い気配があるので」 「えっ……?」  蘭さんの危険察知は絶対だ。  今まで外れたことがない。  ということは—— 「もしかして、ダンジョンボス?」 「そうじゃないかと思います」 「どのくらい強いの?」 「離れてるので、ハッキリとはわかりませんが、レベルはたぶん20くらい。ミノタウルス……じゃないかと思います」  ミノタウルスかぁ。  会心の一撃をめちゃくちゃ、とばしてくるやつじゃないか。  マズイぞ。僕はバグのせいで、クリティカル攻撃をまったく、かわせないんだよな?  ヤバイ。それって僕の天敵だ。 「固定ボス?」 「じゃないかと」  せめて、レベルをあげとこう。  僕らは、いやしの泉を最大限に利用した。僕はレベル14に。蘭さんは17。三村くんは15になった。ワレスさんにいっぱいレベル上げといてもらってて、ほんとによかった。  これなら、なんとかミノタウルスと戦える……かな?  僕らは恐る恐る、出口へむかっていく。  ドキドキドキ。  前方が明るくなってきた。  すると、そのさきに、やつがいた。  頭にツノを二本生やした獣人。  まちがいなく、ミノタウルスだ——
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