神からのプレゼントがある町

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 この物語の主人公である中川亮太は石の町に住んでいる。中川亮太と日本人名だがここは日本ではない。勿論のこと亮太はブルーの瞳だ。ここはチョコレートストーンという名の国だ。チョコレートストーンは日本の半分くらいの国だが、その中にあるこの石の町は人口5万人くらいのさして大きくもない集落でシービレッジナッツと呼ばれている。高台からみるとアーモンドのような形をしているからこう呼ばれているらしい。この国、チョコレートストーンで一番赤道に近いところにある暑い町だ。石で出来ているのはこのシービレッジナッツだけではなくてこの国の全体が殆ど石で出来ている。でもここまで徹底しているのはこの町だけだろう。  シービレッジナッツを見渡せばヨーロッパみたいな町並みは建物も石で出来ているし、塀や道路も石だ。建物は殆ど人家だったから2階建て以上の高さのものは無いが、高台に1つだけ高い塔があって、町をすべて見渡せるようになっている。そこには白髭を生やしたお爺さんが居て、コーヒーを飲みながらシービレッジナッツの様子を見守っている。噂によると80を超えていて、病気1つしたことのない強靭な人間だ。でも家族がいるという話は誰もしない。多分、1人でこの町を守っているつもりなんだろう。
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