キジも鳴かずば撃たれまいに……

112/143
前へ
/271ページ
次へ
 いや、好きな方というわけではないんですけど……と思う唯の前で、社長は渋い顔をし、 「ですが、もはや、翔太は止められないかもしれません。  なにせ、あの気性ですから」 と申し訳なさそうに言ってきた。 「なにかの最終兵器みたいですね……」 と唯は呟いた。  一度スイッチが入ったら止まらない。  困ったことに、そんな人が此処にもう一人居るのだが……と唯は思っていたが。  蘇芳は、翔太など敵ではないと思っているのか。  ずっと、それがどうした? という顔をしていて、むしろ、慎吾の方が、ひとり、なにやら考え込んでいるようだった。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2293人が本棚に入れています
本棚に追加